2026年9月16日(水)に世界同時発売されたMEGA 拡張パック「30th CELEBRATION」に、1996年の第1弾拡張パックに収録されたピカチュウ(LV.12)が当時のカードデザインのまま再登場しました。型番はM6a 136/103、イラストは有田満弘氏です。ポケモンカードの歴史そのものを象徴する1枚が、30年ぶりに現行パックから出てくることになりました。

ただしこのカードは、1パックに1枚が確定で封入される「30人の絵師が描くピカチュウ30種」とはまったく別のカードです。ここを取り違えると価格の見立てを大きく誤ります。実際、確定枠の30種は1枚280円前後で横並びになった一方、136/103はその約25倍の値が付きました。

本記事は、発売前に公開した価格予想を発売日の実売価格で全面的に差し替えた初動版です。販売価格はショップ3社、買取価格はショップ4社の提示額を集計しています。発売前の予想がどこまで当たり、どこを外したのかも隠さず載せました。


結論:発売日の実売は販売6,980円/買取中央値2,850円。30周年パック全体の当たりランキングでは14位でした。発売前の中央予想12,000円に対して実際は約58%の水準で、弱気シナリオ(6,000円)に近い着地です。PSA鑑定は採算が合いません(理由はPSA鑑定の章で計算しています)。

目次

  1. ピカチュウ M6a 136/103の基本情報とカードデータ
  2. 【最重要】確定封入の「ピカチュウ30種」とは別のカードです
  3. 発売日の実売価格と、発売前予想の答え合わせ
  4. 買取価格は店舗で1.6倍の差|売却チャネルの注意点
  5. 同じイラストのClassic版と比べていくらか
  6. 歴代の周年ピカチュウ相場を一列に並べる
  7. 価格を左右する4つの変数
  8. 自引きとシングル購入、どちらが得か
  9. 買い時・売り時の判断軸
  10. PSA鑑定に出す価値はあるか
  11. Classic版・旧裏面との見分け方
  12. よくある質問
  13. まとめ

ピカチュウ M6a 136/103の基本情報とカードデータ


ピカチュウ LV.12(M6a 136/103)30th CELEBRATION 特別仕様再録のカード画像
本記事の対象カード:ピカチュウ LV.12(M6a 136/103/30th CELEBRATION)。ショップによっては「かじるピカチュウ」「ピカチュウ(ホイル)」と表記されます


カード名ピカチュウ LV.12
ショップ表記は「かじるピカチュウ」「ピカチュウ(ホイル)」など
型番M6a 136/103
収録商品MEGA 拡張パック「30th CELEBRATION」
発売日2026年9月16日(水)/世界同時発売
希望小売価格1パック360円(税込)/1BOX=20パック(BOX換算7,200円)
枠・種類数特別仕様再録30種(136〜165)のうちの1枚。ランダム封入
イラストレーター有田満弘(Mitsuhiro Arita)
カードデータたね/雷/HP40/ワザ「かじる」(無1・10ダメージ)/ワザ「でんげき」(雷1・無1・30ダメージ、コインが「うら」なら自分にも10ダメージ)/弱点:闘/にげる:1
再録元1996年発売「第1弾 拡張パック」
対戦での使用現行スタンダードでは使用不可
初動の実売(2026年9月時点)販売6,980円/買取中央値2,850円(買取レンジ2,500〜4,000円)

1996年のカード面をそのまま再現した「特別仕様再録」

ポケモンカードゲーム30周年特別サイトによれば、30th CELEBRATIONには30年の歴史を象徴するカード30枚が特別仕様で登場します。M6a 136/103はその先頭に置かれた1枚で、公式サイトでも「1996年発売 第1弾 拡張パック」と明記されています。

再現度は徹底しています。HP40、LV.12、ワザ「かじる」10ダメージと「でんげき」30ダメージ、弱点:闘、にげる:1、さらに「ねずみポケモン:身長0.4m、体重6Kg」という当時の図鑑表記まで、1996年版のカード面がそのまま載っています。イラストも当時と同じ有田満弘氏のもので、描き下ろしではありません。

当時と違うのは3点です。カード全体がキラ加工になっていること、イラスト枠の左下に「ほっぺが3と0になったピカチュウの顔」の30周年マークが重なること、そして裏面が現行デザインであることが挙げられます。1996年の実物(旧裏面)と取り違える心配はまずありません。

公式は、これら特別仕様の再録カードについて現行のスタンダードレギュレーションでは使用できないと明記しています(元となったカードが使えるレギュレーションでは使用可)。つまりこのカードの価格は、対戦需要が一切乗らないコレクション需要だけで決まります。

【最重要】確定封入の「ピカチュウ30種」とは別のカードです

30th CELEBRATIONには、混同されやすいピカチュウが3系統も入っています。ここを整理しておかないと、フリマで違うカードを買ってしまいます。発売日の実売価格を並べると、違いは一目瞭然です。

系統 型番 入手性 初動の販売価格
ピカチュウ(本記事)
1996年 第1弾の特別仕様再録
M6a 136/103 再録枠30種(136〜165)のランダム1枠 6,980円
買取中央値 2,850円
30人の絵師が描くピカチュウ
全30種
M6a 017〜046/103 1パックに1枚が確定封入 280円前後(30種ほぼ均一)
30種コンプで約8,400円
ピカチュウex SAR(昼・夜) M6a 126/103・127/103 SAR枠(10種のうち2種) 各17,800円
当たりランキング3位・5位

販売価格はカードラッシュ・ホビーステーション・カーナベルの3社、買取価格はカーナベル・シーガル米沢店・トレカショップ竜のしっぽ・ブレイズ/お宝創庫の4社の提示額から、それぞれ中央値を取ったものです(2026年9月時点・発売日にトレカジャパン編集部が取得)。各カードの詳細はポケカ30周年の当たりランキングにまとめています。

価格差がここまで開く理由は供給量です。ピカチュウ30種は1パックに1枚が確定で入るため、市場に出回る総枚数は流通パック総数と等しくなります。1BOX開ければ20枚出る計算で、30種に分散してもなお供給は潤沢です。発売日の時点でカードラッシュの在庫が1種あたり40〜110枚積み上がり、30種すべてが280円前後で横並びになりました。

対してM6a 136/103は、再録枠30種のうちの1枠です。ランダム封入で、供給量は確定枠と桁が違います。その差が、実売で約25倍という価格差になって表れました。「1パックにピカチュウが必ず1枚入る」という公式のアナウンスを、136/103にまで当てはめてはいけません。


✏️ フリマで買うときは型番の確認が必須です。「30周年 ピカチュウ キラ」という出品名だけでは、確定枠の30種なのか136/103なのか判別できません。カード左下の「M6a 136/103」を写真で確認してから購入してください。280円のカードと6,980円のカードが同じ出品名で並ぶ状況になっています。

発売日の実売価格と、発売前予想の答え合わせ

初動の実売|販売6,980円・買取2,850円で当たりランキング14位

販売価格(3社の中央値)6,980円
買取価格(4社の中央値)2,850円(最安2,500円〜最高4,000円)
買取÷販売の比率約41%
当たりランキング14位(TOP15のうち再録枠は6枚)
同じ再録枠の最高値ルギア(142/103)17,800円・4位/リザードン(137/103)14,800円・6位
再録30種の販売平均約4,300円(30種のうち14種は1,980円で横並び)

販売3社・買取4社の提示額を発売日に取得し、中央値を算出しました(2026年9月時点)。専門店の買取表は数量限定・状態条件つきのため、実際の査定額は下がることがあります。

再録30種のなかでは上から7番目の水準で、平均(約4,300円)を上回りました。1,980円で横並びになった14種とは明確に線が引かれており、「1996年第1弾の原点」という文脈がきちんと価格に乗ったと読めます。一方で、同じ再録枠のルギアやリザードンには遠く及びませんでした。

発売前予想12,000円との答え合わせ|比率は当たり、絶対額を外しました

発売前の本記事では、中央予想を12,000円(弱気6,000円/強気25,000円)としていました。実際は6,980円ですので、中央予想の約58%、弱気シナリオに近い着地です。予想がどこで外れたのかを分解しておきます。

項目 発売前の予想 初動の実測
136/103の価格12,000円6,980円
リザードン137/10325,000円14,800円
ピカチュウ÷リザードン比約44%(Classic版の実績)約47%
確定枠ピカチュウ30種250〜3,500円280円前後(下限寄り)
ピカチュウex SAR60,000〜65,000円17,800円
SARの種類数7種と推定10種(124〜133)

ピカチュウがリザードンの4割強に収まるという比率の見立ては当たりました。Classic版で確認した約44%に対し、30周年版は約47%です。外したのは基準にしたリザードンの絶対額のほうで、25,000円という予想に対して実際は14,800円でした。SARが7種ではなく10種だったこと、BOX相場が発売前にさらに崩れたことが、弾全体の水準を想定より押し下げています。

今後の見通し|10月以降の想定レンジ

時期 販売価格の想定 PSA10
発売直後(9月時点・実測)6,980円鑑定品の流通なし
発売1〜2か月後(10月下旬〜11月)3,500〜8,000円
中央想定 5,000円
8,000〜13,000円
発売半年後(2027年春)3,000〜7,000円7,000〜12,000円

10月以降はトレカジャパン編集部による想定で、実測値ではありません。直近弾ストームエメラルダ(M6)のSARが発売から約6週間で47〜76%下落した実績を下敷きにしつつ、136/103はすでに再録枠の平均近辺まで下がっており下げ余地がSARより小さいと見て、下落率を緩めに置いています。

10月16日には30th CELEBRATIONカードセット(全9種)が発売され、10月20日には30周年当日を迎えます。この2つのイベントで話題が再燃し、10月中の下押しは限定的になる可能性があります。本格的な底値圏は、関心が次弾に移る11月以降と見ています。

買取価格は店舗で1.6倍の差|売却チャネルの注意点

今回の初動でいちばん実害が大きいのがここです。販売価格は3社でほぼ一致しているのに、買取価格は店舗ごとにまったく違います。

136/103の買取レンジ2,500円 〜 4,000円(1.6倍)
弾全体の傾向同じカードで最大3.5倍の開き(ひかるセレビィ141は800〜2,800円)
高値を付けた店舗の傾向専門店(シーガル米沢店・竜のしっぽ)が高く、全国チェーン系(ブレイズ・お宝創庫)が低め

1枚あたりの差額は1,500円ですので、金額としては大きくありません。ただし再録枠は複数枚まとめて売る場面が多く、10枚まとめれば15,000円の差になります。1社の提示額で決めずに、同じ日に複数社を比較してください。

もう一点、買取÷販売の比率が約41%である点も判断材料になります。30周年の主要カードはおおむね43〜67%に収まっており、136/103はその下限を下回る水準です。比率が低いカードは、ショップ側が今後の値下がりを強めに見込んでいるサインと読めます。


⚠️ メルカリは2026年9月16日0時から、30th CELEBRATIONの未開封パック・BOXおよびカードセット全9種の出品を禁止しています。開封済みのシングルカードは従来どおり出品できますので、136/103の売買そのものに制限はありません。影響を受けるのは「BOXを買って自引きする」ルートのほうで、BOXの売り先はスニーカーダンク・ヤフオク・買取店に絞られました。

📝 売る前に、いまの相場を確認してください。
トレカジャパンでは30th CELEBRATIONの収録カードごとに、複数サイトのリアルタイム相場を並べて比較できます。
30th CELEBRATION 収録カード一覧で相場を見る →

同じイラストのClassic版と比べていくらか

M6a 136/103の水準を評価するうえで、いちばん条件が近い実在カードがあります。2023年10月発売「ポケモンカードゲーム Classic」に収録されたピカチュウ(CLL 008/032)です。

PSA10 直近48時間の中央値23,950円(取引6件)
30日間変動-20.2%(基準 30,000円)
PSA10の販売中最安値/出品数23,000円/164件
素体(未鑑定)の店頭販売価格18,800円(カードラッシュ・在庫63枚)
30周年版(136/103)との比較136/103はClassic版素体の約37%

PSA10の数値は、メルカリ・スニーカーダンク等の取引データを横断集計したものです(2026年9月時点・PSA10グレード)。リアルタイムの数値はピカチュウ CLL 008/032の相場ページでご確認いただけます。素体価格はカードラッシュの店頭販売価格(2026年9月時点)です。

このカードが比較対象になるのは、136/103とほぼすべての条件が一致しているからです。イラストは同じ有田満弘氏の1996年版、旧デザインのカード面、全面キラ仕様、そして公式大会で使えないという条件まで共通しています(Classic収録カードは基本エネルギーを除きスタンダードで使用不可。ポケモンカードゲーム公式サイト・レギュレーションページ)。違うのは流通経路だけです。Classicは希望小売価格35,000円(税込)の抽選販売限定キット、30周年は1パック360円の拡張パックから出ます。

発売前の本記事では「両者の中間、Classicにやや近い位置」と見ていましたが、実際の着地はClassic版素体の約37%でした。拡張パックのランダム封入という供給構造は、抽選販売限定キットとの間に3倍近い差を生んだということになります。

リザードンとの価格比は「4割強」で安定しています

商品 リザードン ピカチュウ 比率
Classic(CLL 003/008)42,800円18,800円約44%
30th CELEBRATION(137/136)14,800円6,980円約47%

Classic版はカードラッシュの販売価格(2026年9月時点・同一店舗の同一基準日)。30周年版は発売日のショップ3社の販売中央値です。

商品も価格帯もまったく違うのに、ピカチュウとリザードンの比率は44%と47%でほぼ揃いました。この比率は、今後リザードン137/103の相場が動いたときに136/103の水準を推し量る目安として使えます。リザードンが10,000円まで下がれば、ピカチュウは4,500〜5,000円あたりが目安になります。


💬 Classic版の在庫枚数(63枚)にも意味があります。リザードンの23枚に対して3倍近い在庫を抱えながら4割強の価格を保っているのは、需要と供給が両方厚いということです。売りたいときに買い手が見つかりやすい銘柄で、換金性の観点ではむしろ長所になります。30周年版も同じ性質を引き継ぐ可能性が高いです。

歴代の周年ピカチュウ相場を一列に並べる

同じ絵柄・同じ系譜のカードがいくらで取引されているかを並べると、136/103の立ち位置が見えてきます。

カード 発売 PSA10相場 30日変動/出品数
初版ピカチュウ(旧裏・マークなし)
第1弾拡張パック(初版)
1996年 1,000万円
2026年5月6日の取引
—/3件
ピカチュウ ●(旧裏)
第1弾拡張パック(再販)
1996年 78万円
直近取引
—/15件
ピカチュウ C 1ED
CP6「20th Anniversary」
2016年9月 33,500円 -38.0%/68件
ピカチュウ CLL 008/032
ポケモンカードゲーム Classic
2023年10月 23,950円 -20.2%/164件
ピカチュウ ミラー
S8a「25th ANNIVERSARY COLLECTION」
2021年10月 15,694円 -21.5%/132件
ピカチュウ(通常版)
S8a「25th ANNIVERSARY COLLECTION」
2021年10月 7,399円 -25.3%/209件
ピカチュウ M6a 136/103
30th CELEBRATION
2026年9月 素体 6,980円
鑑定品は未流通

PSA10の数値は、メルカリ・スニーカーダンク等の取引データを横断集計したものです(2026年9月時点・PSA10グレード)。初版ピカチュウは取引件数が極端に少なく、参考値としてご覧ください。136/103のみ未鑑定の販売価格です。

この表から読み取れることが3つあります。

①「同じ絵柄でも、商品の希少性で価格は何倍にも開きます」

25周年の通常版(PSA10で7,399円)とClassic版(同23,950円)は、まったく同じ有田満弘氏のイラストです。それでも3倍以上の差がつきました。差を生んでいるのは絵柄ではなく、その商品にどれだけ手が届きにくかったかです。Classicは35,000円の抽選販売限定キット、25周年通常版は拡張パックの1枚目という違いが、そのまま価格に出ています。

30周年版の素体6,980円は、奇しくも25周年通常版のPSA10(7,399円)とほぼ同じ水準に着地しました。拡張パックのランダム枠という供給構造は、Classicよりも25周年通常版に近いという結果です。

②「20周年から10年で33,500円」は長期の上値目安になります

CP6「20th Anniversary」のピカチュウ(033/087)は、パック内では最低レアリティのC(コモン)です。それでも1st Edition版のPSA10は33,500円でした。周年記念パックに入ったピカチュウは、レアリティが低くても10年で3万円台に届くという前例になります。

136/103の初動が6,980円であることを踏まえると、短期の値上がりを狙う銘柄ではありません。上を狙うなら年単位の保有が前提になります。

③ いま、周年ピカチュウはそろって下落中です

見落としてはいけないのが右端の列です。並べた4銘柄すべてが、直近30日で20〜38%下げています。これは偶然ではありません。

30周年パックの発表で買われた過去の周年カードが、発売が近づくにつれて売られている局面です。いわゆる「周年ブーストの巻き戻し」が起きており、新商品に資金を移すために手持ちを現金化する動きがそのまま数字に出ています。


✏️ この下落トレンドは、136/103の発売後にも同じ形で効いてきます。「30周年で古いピカチュウも一律に上がる」という理解は、足元のデータとは合っていません。詳しくは30周年の当たり・高騰カードまとめで25周年カード全体の推移を解説しています。

価格を左右する4つの変数

変数1:封入率(影響度:最大)

最も価格を動かす要素でありながら、公式発表がありません。発売日時点で判明しているのは商品構成だけです。

  • 1パック6枚すべてがキラカード仕様、1BOX=20パック
  • 6枚のうち基本エネルギー1枚と30周年ピカチュウ1枚が確定枠
  • 残り4枚が、通常枠103種・AR20種・SAR10種・FUR2種・特別仕様再録30種を分け合うランダム枠
  • 特別仕様再録は136〜165の30種で確定しました(136/103はその先頭)

現行世代のコミュニティ観測値をもとに「再録枠が1BOXに1枚出る」と仮定すると、136/103をピンポイントで狙う確率は1BOXあたり約3.3%です。期待コストは定価換算で30BOX分、約216,000円になります。これは非公式の仮定に基づく試算で、公式の封入率ではありません。

変数2:確定枠のピカチュウ30種との需要バッティング

これは30周年ならではの変数です。同じパックから、30種類ものピカチュウが確定枠で大量に供給されます。

「ピカチュウのキラカードが欲しい」という漠然とした需要は、確定枠の30種でかなりの部分が満たされてしまいます。136/103に向かうのは、「1996年の第1弾ピカチュウでなければ意味がない」という、より狭くて濃い層だけです。

これは価格の下押し要因である一方、下値を固くする要因でもあります。買う理由がはっきりしている層は、多少値が動いても売り急ぎません。Classic版が在庫63枚を抱えながら18,800円を保っているのは、この構造によるものです。

変数3:対戦需要がゼロであること

前述のとおり、このカードは現行スタンダードで使用できません。加えて注意したいのが、公式のエクストラレギュレーションが「BW」シリーズ以降、殿堂レギュレーションが「DP」シリーズ以降を対象としている点です(ポケモンカードゲーム公式サイト・レギュレーションページ/2026年9月時点)。1996年のカードはどちらの範囲にも入らないため、公式が主催・公認する現行フォーマットでは実質的に使いどころがないというのがトレカジャパン編集部の見立てです。

価格の支えがコレクション需要一本になるということは、下がるときに底が抜けやすい構造でもあります。もっとも、Classic版も25周年版も同じ条件で数万円台を維持しており、ピカチュウというIPの強さがそれを補っているのが実態です。

変数4:世界同時発売と30周年イヤーのカレンダー効果

30th CELEBRATIONは史上初の世界同時発売となりました。これまで日本語版が数か月先行することで生まれていた「英語版を待てない海外層の需要が日本語版に集中する」構図は、今回は働きにくくなっています。有田満弘氏のイラストは海外での評価も高いだけに、この点は素直な下押し要因です。

一方で、ポケモンカードの日本での第1弾発売は1996年10月でした。2026年10月20日が30周年の節目にあたり、9月の発売から10月にかけては関連商品とメディア露出が集中します。1996年第1弾の再現である136/103は、この文脈でもっとも語られやすい1枚です。相場が実力以上に押し上げられやすい代わりに、イベント通過後の反落リスクも同時に抱えます。

参考:BOX相場は発売前に6割下げました

単体カードの相場を占ううえで、BOXの二次流通価格は先行指標になります。

2026年8月下旬47,000円前後
発売日(2026年9月時点)17,300円
8月下旬からの下落率-63%
定価換算7,200円に対する倍率約2.4倍

スニーカーダンクの相場表示(2026年9月時点)。リアルタイムの数値は30th CELEBRATION BOX相場ページでご確認いただけます。

抽選結果が出そろい、当選者の転売分と店頭販売分が一気に流れ込んだことで、期待先行の価格が現実的な水準へ修正されました。この修正が、単体カードの初動価格にもそのまま反映されています。発売前の本記事で参照していたBOX相場は32,000円でしたので、そこからさらに半値近くまで下げたことになります。

自引きとシングル購入、どちらが得か

方法 想定コスト 向いている人
定価でBOX購入7,200円/BOX開封を楽しみたい人。ただし狙い撃ちはできない
二次市場でBOX購入17,300円/BOX下落トレンドの最中で、換金目的なら不利
シングル購入6,980円136/103だけが目的の人。最も確実で安い

「ピカチュウ136/103が欲しい」という目的に限れば、答えははっきりしています。シングル購入が圧倒的に合理的です。再録枠が1BOXに1枚出る前提でも、136/103をピンポイントで引く期待コストは定価BOX30箱分の約216,000円で、シングル価格6,980円の約31倍にあたります。

もちろんBOXからは狙い以外のカードも出ますので、他のカードを売却すれば実質負担は下がります。BOX全体での損得は当たりランキング記事のBOX期待値の項で試算していますので、そちらとあわせて判断してください。

買い時・売り時の判断軸

買うなら:11月以降が本命です

発売直後は品薄プレミアムが乗り、実力以上の価格がつきやすい局面です。開封が一巡して出品数が増える発売2〜6週間後から価格が緩みやすくなります。

判断の目安は出品数の推移です。出品が増え続けているうちは供給過多で価格が下がりやすく、出品数が頭打ちになったタイミングが底のサインになります。カードページで出品件数と直近取引額の両方を確認してください。

ただし10月16日にはカードセットが発売され、10月20日には30周年当日を迎えます。この2つのイベントで一時的に価格が戻る可能性があるため、本格的な底値圏は11月以降と見ています。急ぎでなければ、そこまで待つ判断に合理性があります。

売るなら:9月中か、1年以上の長期保有かの二択です

自引きしたカードを短期で現金化するなら、値崩れ前の発売週から2週間以内が最有力です。直近弾のM6では、看板カードですら6週間で5〜7割下げました。

中長期保有を選ぶ場合は、20周年CP6版(10年でPSA10 33,500円)の前例どおり数年単位での上昇を狙うことになります。その場合は保管品質の維持が前提です。いちばん損をしやすいのは、初動で売り渋って調整期に慌てて手放すパターンです。

そしてタイミング以上に効くのが、どこに売るかです。買取レンジは2,500〜4,000円で1.6倍の開きがありますので、複数社に査定を出すほうが数週間の値動きより金額へのインパクトが大きくなります。

PSA鑑定に出す価値はあるか

結論として、このカードの鑑定は現時点では明確に非推奨です。感覚ではなく、計算で確認します。


📝 損益分岐の計算式
「素体の価格 + 鑑定総コスト」 < 「PSA10の成約中央値」
この不等式が成り立てば、鑑定に出す経済的メリットがあります。

前提として、PSAの料金とサービスレベルは2026年9月10日と9月15日に改定されました。従来の低価格プラン(バリュー系4プラン)は受付停止が続いており、9月15日から新プラン「スタンダード」(1枚9,980円)の受付が始まって、通常グレーディングの最安はこちらになりました。「レギュラー」は「プライオリティ」へ名称変更のうえ予定納期が60営業日から80営業日に延び、「エクスプレス」は9月10日から22,980円が29,980円へ値上げされています。

サービスレベル 料金(1枚・税込) 予定納期/申告価格上限
スタンダード
2026年9月15日 受付開始
9,980円100営業日/15万円以下
プライオリティ
旧レギュラー
11,980円80営業日/25万円以下
エクスプレス
2026年9月10日 値上げ
29,980円25営業日/40万円以下
バリュー系4プラン受付停止中

出典:PSA Japan「サービスレベル変更のお知らせ[2026年9月]」(2026年9月時点)。改定の適用開始日時より前に申し込み済みの注文には、申込時点の料金・予定納期が適用されます。鑑定料とは別に、保険料・返送料と自宅からの往路送料が必ず発生します。

136/103は素体が6,980円ですので、申告価格15万円以下のスタンダードで提出できます。1枚提出した場合の総コストは次のとおりです。

素体の販売価格6,980円
鑑定料(スタンダード)9,980円
保険料・返送料(1〜8枚・申告17.5万円以下)1,900円
自宅からPSA Japanへの往路送料実費(1,000円前後)
合計約19,900円
PSA10の想定(1〜2か月後)8,000〜13,000円
判定不等式は成立しません(赤字

保険料・返送料は申込枚数の区分(1〜8枚/9〜25枚)で金額が変わり、申込入力後にPSA側で自動計算される実額が優先されます。公式PDFには、5〜6枚の提出ではウェブ表示額より1,500円程度高くなる旨の注記があります。

PSA10の想定を8,000〜13,000円と控えめに置いているのは、Classic版の実績があるからです。Classic版ピカチュウは素体18,800円に対しPSA10が23,950円で、倍率はわずか1.27倍にとどまっています。同じ倍率を136/103に当てはめると、PSA10でも8,900円前後です。鑑定コスト1万円台をとても吸収できません。

理由は明快で、新しめのカードは開封直後の状態が良くPSA10取得率が高いためです。提出したカードのほとんどが10になって市場に積み上がり、鑑定プレミアムが希薄化します。Classic版のPSA10が164件も出品されている状況が、その典型です。

加えて時間の問題もあります。スタンダードの予定納期は100営業日で、しかもこのカウントは発送日ではなく「荷物到着のお知らせ」メールの配信時点から始まります。到着通知までに約2〜3営業日、鑑定完了後の支払いから手元に戻るまでにさらに約8営業日かかりますので、総待ち時間はこれらの合算になります。その間に相場が動くリスクも計算に入れてください。


💬 鑑定を検討する余地があるのは、①複数枚をまとめて提出して1枚あたりの諸費用を下げられる場合、②数年単位の長期保有前提で状態劣化リスクを固定したい場合の2つだけです。なおPSA Japanの支払い方法はクレジットカードのみで、ユーザー規約第3条により未成年は利用できません。料金・納期は年に複数回改定されていますので、申し込み前にPSA公式サイトで最新の条件をご確認ください。

Classic版・旧裏面との見分け方

同じ有田満弘氏のピカチュウは、これまでに複数回商品化されています。フリマで購入する際は、型番での確認が唯一確実な方法です。

バージョン カード左下の表記 見た目の決め手
30周年版(本記事) M6a 136/103 イラスト枠の左下に30周年マーク(ほっぺが3と0のピカチュウの顔)。裏面は現行デザイン
Classic版 CLL 008/032 30周年マークなし。裏面は現行デザイン
25周年版 S8a 001/028 現行のカード枠で、旧デザインではありません
1996年の実物(旧裏面) No.025(型番表記なし) 裏面が旧デザイン。右下のレアリティマークの有無で初版と再販が分かれます

とくに紛らわしいのがClassic版との混同です。どちらも旧デザインの枠にキラ加工、同じイラストですので、写真だけでは区別がつきません。出品ページに型番の写真がない場合は、必ず出品者に確認してください。

ショップによって商品名の表記が割れている点にも注意が必要です。「ピカチュウ LV.12」「かじるピカチュウ」「ピカチュウ(ホイル)」など複数の呼び方が使われていますので、検索の際は型番で照合するのが確実です。

また、高額プロモやキラカードは偽造品が出回りやすいカテゴリでもあります。購入時は、カード表面のテクスチャ、印刷の精度、裏面の色味、重量などを確認しましょう。

よくある質問

ピカチュウ M6a 136/103はいくらですか?

2026年9月時点の実売で、ショップ販売価格が6,980円、買取中央値が2,850円です(販売3社・買取4社の中央値)。買取は店舗によって2,500〜4,000円の開きがあります。発売前の中央予想12,000円に対して約58%の水準で着地しました。相場は日々動きますので、最新の実勢は30th CELEBRATIONのカード一覧でご確認ください。

1パックに必ず入るピカチュウが、この136/103ですか?

いいえ、違います。1パックに1枚が確定で封入されるのは「30人のイラストレーターが描くピカチュウ30種」で、これらは通常枠(017〜046/103)に収録されています。実売は30種すべてが280円前後で、30種コンプリートでも約8,400円です。M6a 136/103は特別仕様の再録枠30種(136〜165)のうちの1枚でランダム封入のため、実売は約25倍の6,980円になっています。

136/103のレアリティは何ですか?

2026年9月時点で、公式からレアリティ表記は発表されていません。判明しているのは、ポケモンカードゲーム30周年を記念した特別仕様の再録カード30枚のうちの1枚であること、そして通し番号が136〜165のハイレア帯の先頭に置かれていることです。ショップの商品登録でも「特別仕様再録」として扱われています。

30周年のピカチュウ136/103は対戦で使えますか?

現行のスタンダードレギュレーションでは使用できません。ポケモンカードゲーム30周年特別サイトが、特別仕様で再登場したカードはスタンダードでは使えず、元となったカードが使用できるレギュレーションでのみ使用可能と案内しています。さらに公式のエクストラレギュレーションは「BW」シリーズ以降、殿堂レギュレーションは「DP」シリーズ以降が対象のため、1996年のカードである136/103は現行の公認フォーマットでは実質的に使いどころがないと考えられます。

Classic版(CLL 008/032)と何が違いますか?

イラストもカードデータも同じ有田満弘氏の1996年版で、キラ仕様である点も共通しています。違いは3つです。①型番が「CLL 008/032」ではなく「M6a 136/103」であること、②イラスト枠の左下に30周年マークが入ること、③収録商品が35,000円の抽選販売限定キットではなく1パック360円の拡張パックであることです。この供給構造の差が価格に出ており、2026年9月時点でClassic版の素体18,800円に対し、30周年版は6,980円と約37%の水準になっています。

PSA鑑定に出したほうがいいですか?

現時点では非推奨です。素体6,980円に鑑定総コスト約12,900円(スタンダード9,980円+保険料・返送料1,900円+往路送料の実費)を足すと約19,900円になり、PSA10の想定(8,000〜13,000円)を大きく上回ります。同じイラストのClassic版はPSA10と素体の倍率が1.27倍にとどまっており、鑑定プレミアムが薄い銘柄です。複数枚をまとめて提出できる場合や、数年単位の長期保有が前提の場合を除き、採算は合いません。

リザードン137/103とどちらが高いですか?

リザードンのほうが高い値が付いています。2026年9月時点の実売で、リザードン137/103が14,800円(当たりランキング6位)、ピカチュウ136/103が6,980円(同14位)で、比率は約47%です。Classic版でもリザードン42,800円に対しピカチュウ18,800円の約44%でしたので、商品が変わってもこの比率はほぼ維持されています。

自引きとシングル購入はどちらが得ですか?

136/103のみが目的ならシングル購入が有利です。特別仕様の再録30種が1BOXに1枚出る仮定では、狙い撃ちの期待コストは30BOX分の約216,000円相当となり、シングル価格6,980円の約31倍にあたります。開封体験そのものを楽しみたい場合を除けば、シングルでの購入が合理的です。

メルカリで売れますか?

開封済みのシングルカードですので出品できます。メルカリが2026年9月16日0時から出品を禁止したのは、30th CELEBRATIONの未開封パック・BOXと、カードセット全9種(開封・未開封を問わず)です。136/103のようなシングルカードは対象外で、従来どおり売買できます。ただし個人間取引ですので、偽物を疑うクレームや配送トラブルのリスクは買取業者より高くなります。

未成年でもカードを売却できますか?

未成年者がカードを売買する場合、原則として親権者(保護者)の同意が必要です。民法第5条により、未成年者が単独で行った契約は取り消される場合があります。加えて古物営業法は古物商に本人確認義務を課しているため、多くの買取業者が未成年者との取引で保護者の同意書や身分証の提示を求めています。フリマアプリでも利用規約で年齢制限が設けられている場合がありますので、事前にご確認ください。

まとめ


・ピカチュウ M6a 136/103は、1996年第1弾拡張パックのカード面を忠実に再現した30周年記念の再録カードです。イラストは有田満弘氏が担当しています
初動の実売は販売6,980円・買取中央値2,850円で、30周年パックの当たりランキングは14位でした
1パック1枚確定の「ピカチュウ30種」とは別のカードです。確定枠は280円前後、136/103はその約25倍の価格帯になります
・発売前の中央予想12,000円に対して実際は約58%の水準でした。リザードン比47%という比率の見立ては当たり、基準にしたリザードンの絶対額を外しています
・買取は店舗で2,500〜4,000円の開きがあります。売るなら複数社の査定を比較してください
PSA鑑定は非推奨です。素体+鑑定総コスト約19,900円に対し、PSA10の想定は8,000〜13,000円にとどまります
・歴代の周年ピカチュウは直近30日でそろって20〜38%下落しています。「30周年で一律に上がる」わけではありません
・買うなら11月以降、売るなら9月中が目安です

30周年の再録30種は、どれも「そのカードでなければ意味がない」という理由で買われる枠です。ピカチュウ136/103はそのなかでも、ポケモンカードの原点そのものを1枚に閉じ込めたカードになっています。相場は相場として冷静に見つつ、30年前のカードが現行パックから出てくるという体験のほうも味わっていただければと思います。

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※商品情報の出典:ポケモンカードゲーム30周年特別サイトポケモンカードゲーム公式サイト レギュレーションメルカリ「9月16日より『ポケモンカードゲーム 30th CELEBRATION』関連商品の出品を禁止」PSA Japan「サービスレベル変更のお知らせ[2026年9月]」(いずれも2026年9月時点)。価格データは販売がカードラッシュ・ホビーステーション・カーナベル、買取がカーナベル・シーガル米沢店・トレカショップ竜のしっぽ・ブレイズ/お宝創庫の各提示額(2026年9月時点・発売日取得)、Classic版および歴代カードの数値はメルカリ・スニーカーダンク等の取引データの横断集計です。本記事の見通しはトレカジャパン編集部によるもので、将来の価格を保証するものではありません。相場は日々変動するため、売買の判断は最新の実勢価格をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。本記事は2026年9月時点の情報に基づき、市場データの更新に応じて随時改訂します。