目次

  1. センタリングとは|ポケカにおける「印刷の中心ズレ」
  2. PSA鑑定におけるセンタリングの評価基準|PSA10は表面55/45
  3. センタリングの確認方法|自宅でできる測り方と比率の計算
  4. ポケカのセンタリングが悪くなる原因
  5. センタリングがPSA鑑定結果に与える影響
  6. PSA鑑定前のセンタリングチェックリスト
  7. センタリングが悪いカードは交換してもらえる?
  8. センタリングが悪いカードの売り方
  9. センタリングの良いカードを手に入れるコツ
  10. センタリングに関するよくある誤解
  11. よくある質問
  12. まとめ

センタリングとは|ポケカにおける「印刷の中心ズレ」

ポケカのセンタリングとは印刷の中心ズレを示す品質指標

センタリングの定義と仕組み

ポケカにおけるセンタリングとは、カードの印刷面が枠(ボーダー)の中心に正しく配置されているかを示す指標です。ポケモンカードは大判シートに印刷されたあと1枚ずつ裁断されますが、この裁断位置がわずかにずれると、上下または左右のボーダー幅に偏りが生まれます。

上下左右のボーダー幅が均等であれば「センタリングが良い」、偏りがあれば「センタリングが悪い(オフセンター)」と呼ばれます。完全に均等な状態が50/50、どちらか一方に寄るほど数値の差が開きます。

センタリングは開封した瞬間に決まっている品質要素です。スリーブや保管で防げる傷や白かけとは異なり、あとから改善する手段がありません。



センタリングが価値を左右する理由

センタリングが重視されるのは、PSAやBGSといったグレーディング(鑑定)サービスの評価項目に含まれているためです。PSAはセンタリング・表面・角・エッジの4項目を総合的に評価してグレードを付与します。

このうちセンタリングは、提出前に自分で確認できる数少ない項目です。鑑定に出す前にセンタリングを測っておけば、結果をある程度予測でき、鑑定費用の無駄を減らせます。後述するとおりPSAの鑑定料は決して安くないため、この事前判断の価値は年々高まっています。

オフセンター・ミスカット・ティルトの違い

「印刷がずれている」と一括りにされがちですが、実際には3つの異なる症状があります。混同するとPSAでの扱いを読み違えるため、先に整理しておきます。

種類 状態 PSAでの扱い
オフセンターボーダー幅に偏りがある。多くのカードに見られるグレードの制限要因。程度により「OC」クオリファイアが付く場合がある
ミスカット裁断が大きくずれ、隣のカードの一部が見えるほどの極端なケースグレードが付かない(N8)。詳細は後述
ティルト(回転ズレ)印刷面が傾いており、対辺のボーダー幅が平行でないセンタリングの比率とは別軸で評価される

ティルトは対辺の比率だけを測っていると見落とします。ボーダー幅を測る際は、同じ辺の上端と下端の2箇所で測って差がないかを確認してください。

なお、ミスカットは極端なものになるとエラーカードとして希少価値が生まれる場合もあります。ただし鑑定においてはグレード対象外となるため、コレクション価値と鑑定価値は分けて考える必要があります。

PSA鑑定におけるセンタリングの評価基準|PSA10は表面55/45

PSA鑑定におけるセンタリングの評価基準とPSA10の許容範囲

PSA10(Gem Mint)の公式基準

PSA(Professional Sports Authenticator)が公表しているグレーディング基準では、最高グレードであるPSA10について次のように定められています。

PSA10の許容範囲
表面(前面)約55/45を超えない範囲
裏面75/25を超えない範囲

PSA公式の日本語表記では「画像はカードの中央に配置する必要があり、前面で約55/45パーセント、裏面で75/25パーセントを超えない範囲で許容されます」と記載されています。表面のほうが基準が厳しく、裏面には比較的余裕があるという構造です。表面が最初に目に入る面であることを考えれば、直感的にも理解しやすい配分といえます。

出典:PSAグレーディング基準(PSA Japan公式)

「PSA10は60/40まで」が広まっている理由

ネット上の解説記事や動画では、いまも「PSA10の表面基準は60/40」と説明されているものが多く見られます。当サイトでも以前はこの数値で解説していました。

これはPSAが公式サイトの記載を改定する前の基準です。かつては「55/45〜60/40」というレンジで示されていましたが、その後「約55/45」へと表記が変更されました。事前告知を伴わない変更だったこともあり、旧基準の情報が現在も広く残っています。

実務上の意味は小さくありません。表面が60/40のカードは、旧基準では「ぎりぎりPSA10圏内」でしたが、現在の公表基準では圏外にあたります。提出判断の目安は55/45に置き換えてください。

PSA9以下のセンタリングの考え方

PSA9以下についても、グレードが1段階下がるごとにセンタリングの許容範囲は段階的に緩みます。ただし各グレードの具体的な数値は、公式サイト上でグレード定義として個別に掲載される形式となっており、解説サイトによって引用されている数値にばらつきがあります。

そのため本記事では、一次情報として確認できるPSA10の数値のみを基準として扱い、PSA9以下は「表面・裏面ともに段階的に許容が広がる」という考え方でご案内します。正確な数値が必要な場合は、PSA公式のグレーディング基準ページで各グレードの定義をご確認ください。

実務的には、PSA10を狙うかどうかの判断に必要なのは表面55/45というラインです。ここを外れた時点で、狙いはPSA9以下に切り替わります。

数値だけでは決まらない|鑑定士の裁量とアイアピール

ここが見落とされやすい点です。PSAは公式基準の中で、鑑定士の単独裁量により、カード全体の見栄え(アイアピール)に基づいて小さな差異が許容される場合があると明記しています。

つまりセンタリングは、定規で測った数値が自動的にグレードを決める仕組みではありません。PSAは、ボーダーとイラストのコントラストが弱く偏りが目立たないカードでは基準ぎりぎりでも通ることがある一方、コントラストが強く偏りが目に付くカードでは数値上は基準内でもグレードが上がらない場合があると説明しています。

そのため、55/45は「これを満たせばPSA10」という保証ではなく、提出前のスクリーニング基準と捉えるのが実態に即しています。基準ぎりぎりのカードは、結果に幅が出ることを前提に判断してください。

BGS(ベケット)との基準比較

BGS(Beckett Grading Services)はPSAと並ぶ主要なグレーディングサービスです。最大の違いは、センタリング・角・エッジ・表面のサブグレードがラベルに個別表示される点にあります。

鑑定機関 最高グレード サブグレード表示 センタリングの傾向
PSAPSA10(Gem Mint)なし(総合グレードのみ)表面は約55/45、裏面は75/25が公表基準
BGSBGS10(Pristine)あり(4項目を個別表示)50/50に近い精度が求められるとされる

BGS10(Pristine)は4項目すべてが高水準であることが求められ、さらに4項目すべてが10となった場合は「ブラックラベル」という別格の表記になります。PSA10相当のカードでも、BGSではセンタリングのサブグレードが9.5にとどまるケースは珍しくありません。

ℹ️ BGSはセンタリングの許容値を公式には公表していません。上記の傾向は、コレクターコミュニティで広く共有されている目安です。

PSAはどのサブグレードが原因でPSA10に届かなかったかを教えてくれません。「センタリングが原因だったのか知りたい」という目的であれば、BGSを選ぶ意味があります。

センタリングの確認方法|自宅でできる測り方と比率の計算

ポケカのセンタリングの測り方と自宅でできる測定テクニック

比率の計算式と読み方

センタリングの比率は、向かい合う2辺のボーダー幅から計算します。手順は3ステップです。

  1. 向かい合う2辺のボーダー幅をミリ単位で測る
  2. 2つを足して合計を出す
  3. それぞれを合計で割り、広いほうを先に書く

たとえば左が2.2mm・右が1.8mmであれば、合計は4.0mmです。2.2÷4.0=55%、1.8÷4.0=45%となり、比率は55/45と表記します。PSAの表記慣行では広いほうを先に書くため、45/55とは書きません。

左右(横方向)と上下(縦方向)は別々に測り、さらに表面と裏面の両方で計算します。合計4パターンすべてが基準内でなければ、センタリング面でのPSA10は成立しません。

何ミリまでならセーフか|実寸に換算した目安

「55/45」と言われても、実際に何ミリの差なのかがわからないと判断できません。対辺のボーダー合計から逆算すると、次のようになります。

対辺のボーダー合計 55/45にあたる幅 許容される左右差
3.0mm1.65mm と 1.35mm0.30mm
4.0mm2.20mm と 1.80mm0.40mm
5.0mm2.75mm と 2.25mm0.50mm

ボーダーが細いカードほど、許容される実寸の差も小さくなります。0.3mm〜0.5mmという差は、定規の目盛りでは判別が難しい領域です。目視だけでPSA10を見極めようとするのが現実的でない理由がここにあります。

目視による一次スクリーニング

とはいえ、最初のふるい分けとしては目視が有効です。カードを手に取り、上下左右のボーダー幅を見比べてください。

明らかな偏りが目視でわかる場合は、その時点でPSA10は厳しいと判断できます。目視の役割は「PSA10の可能性があるカードを絞り込むこと」であり、合否を決めることではありません。



定規・ノギス・センタリングツールでの実測

正確に測るなら、実測に進みます。手段は3つあります。

手段 精度 向いている場面
定規・三角スケール0.5mm程度大まかな偏りの確認
デジタルノギス0.01mm単位基準ぎりぎりのカードの最終判断
センタリングツール(透明シート)目盛り依存複数枚をまとめて素早く判定

センタリングツールは、比率の目盛りが印刷された透明シートをカードに重ねて判定する道具です。1枚あたりの判定が速く、開封直後のスクリーニングに向いています。前項のとおり許容差が0.3〜0.5mmの世界であることを考えると、最終判断にはデジタルノギスを併用するのが確実です。

ℹ️ カードに直接ノギスの先端を当てると、エッジを傷つけて別の減点要因を作ってしまいます。スリーブに入れた状態で測るか、非接触で測れる手段を使ってください。

スマホアプリの活用と限界

近年は、スマートフォンのカメラでカードを撮影し、ボーダーの比率を自動計算するアプリが複数リリースされています。カードの表裏を撮影して枠線を指定すると、比率とグレードの目安が算出される仕組みが一般的です。

手軽さは大きな利点ですが、精度は撮影条件に強く依存します。次の3点は必ず守ってください。

  • カードの真上から撮影する(斜めから撮ると遠近で比率が歪みます)
  • 無地で反射しない背景に、平らに置いて撮影する
  • スリーブやローダーの縁が写り込まないようにする

アプリの結果は一次スクリーニングとして使い、最終判断は実測と併用するのが安全です。フリマアプリの出品画像から判定する使い方もありますが、出品者の撮影角度に精度が左右される点は理解しておく必要があります。

ポケカのセンタリングが悪くなる原因

ポケカのセンタリングが悪くなる原因と裁断ズレの仕組み

製造工程での裁断ズレ

センタリングのズレが生じる最大の原因は、製造工程における裁断のズレです。大判シートに印刷されたカードを1枚ずつ切り出す際、シート上の位置や刃の状態によって切断位置がわずかに変動します。

同じパックから出たカードでもセンタリングにばらつきがあるのは、このためです。個体差であり、開封者側で防げる要素はありません。

カードのデザインによる判定難易度の差

センタリングの測りやすさは、カードのデザインによって大きく変わります。

  • 通常のレアリティ:黄色いフレームが明確なため、ボーダー幅を特定しやすい
  • SAR・SR などフレームが少ないカード:イラストが縁まで広がるため、基準となるボーダーが取りづらい
  • 旧裏面のカード:現行品と枠の構造が異なるため、現行カードと同じ感覚では測れない

特にイラスト主体のレアリティは、どこをボーダーとみなすかで比率が変わってしまうため、判定が難しくなります。こうしたカードでは、裏面のセンタリングを併せて確認すると全体の傾向がつかみやすくなります。

日本語版と英語版の品質差

日本語版のほうがセンタリング品質が安定している、という見方はコレクターの間で広く共有されています。ただしこれは経験則として語られている傾向であり、公開された統計データに基づくものではありません。

日本語版でもオフセンターのカードは一定数存在します。「日本語版だから大丈夫」と考えず、個別に確認することが前提になります。



センタリングがPSA鑑定結果に与える影響

センタリングがPSA鑑定結果とグレードに与える影響

センタリング不良でグレードが下がるパターン

PSAは4項目を総合評価するため、センタリングが基準を超えていると、他の項目が完璧でもグレードが制限されます。最も多いのは「PSA10狙いがPSA9になる」パターンです。

角もエッジも表面も申し分ないのに、表面のセンタリングだけが55/45を超えている。この場合、カードの物理的な状態は文句なしでも、グレードは1段階下がります。事前チェックの価値が最も出るのがこのケースです。

ミスカットは「減点」ではなくグレード対象外

ここは誤解が多い部分です。極端な裁断ズレは、グレードが下がるのではなくグレード自体が付きません。

PSA公式は、グレードが付かない場合の理由を「N1」から「N9」までのコードで定義しています。ミスカットはこのうちN8にあたり、「カードの製造段階での裁断等により、本来の形状に比べてカードの側面や形が逸脱している状態」と定義されています。

N8と判定された場合、グレーディング料金は請求されません。鑑定士の裁量で「Authentic」としてケースに収納される場合は所定の料金が発生しますが、いずれにせよ数字のグレードは付かないという結論は変わりません。

ミスカット級のカードを「エラーカードとして高値がつくかもしれない」と考えて鑑定に出すのは、目的と手段がかみ合っていません。エラーカードとしての価値は、鑑定グレードとは別の市場で評価されます。

OC(オフセンター)クオリファイアという扱い

PSAには、グレードの数字に補足の記号を付けるクオリファイアという仕組みがあります。センタリングに関係するのは次の2つです。

記号 意味 付与される状況
OCOff-Center(オフセンター)センタリングが該当グレードの基準を外れている場合
MCMiscut(ミスカット)裁断のズレがカードの形状に及んでいる場合

クオリファイア付きのグレードは、数字は維持されるものの、市場では通常のグレードと区別して扱われます。「センタリングが理由でグレードが伸びなかった」ことがラベル上で明示されるという性質があるため、売却を前提とするなら、この扱いを理解したうえで提出を判断する必要があります。

PSA10とPSA9の価格差|センタリングの経済的インパクト

PSA10とPSA9の価格差は、銘柄によって大きく異なります。倍率を一律で語ることはできず、同じカードの実際の取引価格を確認するしか判断材料はありません。



重要なのは、この価格差の一因がセンタリングであるという点です。鑑定料を負担して提出する以上、センタリングを事前に確認し、PSA10の見込みがあるかを判断することは、費用対効果に直結します。

PSA鑑定前のセンタリングチェックリスト

PSA鑑定前に確認すべきセンタリングチェックリスト

提出前に確認すべき5つのポイント


  • 表面の左右ボーダー比率が55/45以内か
  • 表面の上下ボーダー比率が55/45以内か
  • 裏面の左右ボーダー比率が75/25以内か
  • 裏面の上下ボーダー比率が75/25以内か
  • ティルト(印刷面の傾き)がないか

5項目目のティルトは、比率の計算とは別に確認します。同じ辺のボーダー幅を上端と下端の2箇所で測り、差がなければ傾きはありません。

これらをすべてクリアしていれば、センタリング面ではPSA10の可能性があるといえます。ただし前述のとおり、最終判断には鑑定士の裁量が入ります。

センタリング以外のPSA10条件

センタリングが完璧でも、他の3項目に問題があればPSA10には届きません。

項目 PSA10に求められる状態
センタリング表面は約55/45以内、裏面は75/25以内
表面傷・汚れ・シミがなく、オリジナルの光沢が保たれていること
4つすべてがシャープで、丸みや白かけがないこと
エッジ白かけ・めくれ・欠けがないこと

エッジの白かけは、センタリングと並んでPSA10を逃す代表的な要因です。判別に自信がない場合は、ポケカの白かけとは?原因と買取・PSAへの影響、売り方と予防策で症状の見分け方を確認してください。裁断由来の傷についてはポケカの裁断傷とは?見分け方・PSA鑑定・交換手順まで徹底解説で解説しています。

鑑定コストと期待リターンのバランス

PSA鑑定の料金体系は、近年大きく変わりました。従来は1枚あたり数千円台のプランが選択できましたが、バリュー系のプランは新規受付が停止されており、現在申し込める最も安いサービスレベルは「レギュラー」の1枚11,980円(税込)です。

これに加えて、次の費用が別途発生します。

  • PSAへの発送料
  • 返送料および保険料
  • 事務手数料
  • カードセーバーなどの梱包資材費

1枚だけの提出でも返送料と手数料はかかるため、1枚あたりの総費用はさらに上振れします。「とりあえず出してみる」が成立しない料金水準になっているという認識が必要です。

ℹ️ PSA Japanの料金とサービスレベルは改定が続いています。提出前に必ず公式サイトで最新の料金・納期をご確認ください。



センタリングが悪いカードは交換してもらえる?



公式サポートデスクの交換条件

「開封したらセンタリングがひどかった」という場合に、公式へ交換を申し出られるのかは、よく寄せられる疑問です。ポケモンカードゲーム公式のサポートガイドラインでは、交換の対象を次の4条件をすべて満たす商品と定めています。

条件 内容
①販売形態一般小売店において正規の形態で販売されている商品。開封して販売されているカードや、オークション・フリマアプリを通じて購入した商品は対象外
②居住地と購入地日本国内に居住しており、日本国内で購入した商品
③期間購入から2週間以内の商品
④手続き専用Webフォームを通じて問い合わせ、サポートデスクが交換対象と判断した商品

期間の制約が最も見落とされやすい点です。購入から2週間を過ぎたカードは、症状の内容にかかわらず対象外となります。開封後に気になる点があれば、早めに判断してください。

また、交換対象と判断された場合はレシート等の画像の提出が求められます。レシートには購入日・購入商品名・購入金額・購入店舗名が明記されている必要があり、再発行されたレシートや一部を切り取ったものは無効とされています。

「製造上避けられない症状」の扱い

ここが本題です。公式は、サポート対象外となるケースのひとつとして「一部の製造上避けられない症状に該当する場合」を挙げています。

どの症状が具体的にこれに該当するかは公表されていません。ただしセンタリングのズレは、前述のとおり裁断工程で生じる製造由来の個体差です。この区分に該当すると判断される可能性は十分にあり、交換が保証されるものではないと考えておくべきです。最終的な判断はサポートデスクが行います。

あわせて、サポートデスクでの交換は同一カードに対し1回のみと定められています。交換で届いたカードのセンタリングに満足できなかった場合でも、再交換には応じてもらえません。

出典:サポートガイドライン(ポケモンカードゲーム公式)

ℹ️ ガイドラインは予告なく変更される場合があります。問い合わせの前に、必ず公式ページで最新の内容をご確認ください。

センタリングが悪いカードの売り方



売却ルートの比較

センタリングが悪く鑑定を諦めたカードでも、売却先の選び方によって手取りは変わります。

ルート センタリングの影響 向いているケース
買取店査定基準によるが、傷ほど厳しく見られないことが多い手間をかけずに現金化したい場合
フリマアプリ購入者がPSA提出を前提にしているかで評価が分かれる相場より高く売りたい場合
そのまま保有プレイ用・観賞用なら実用上の支障はない売り急ぐ理由がない場合

センタリングは白かけや角の傷とは異なり、「傷」ではなく「個体差」として扱われる場面が多いのが実情です。買取店の査定では、傷や汚れに比べて減額幅が小さく収まるケースもあります。

フリマ出品時に押さえるポイント

フリマアプリで売る場合、センタリングを隠して出品するとトラブルの原因になります。むしろ最初から開示したほうが、結果的にスムーズに売れます。

  • ボーダーが確認できる角度で、真上から撮影した画像を掲載する
  • 実測した比率を商品説明に記載する(例:表面 左右58/42、上下53/47)
  • PSA提出を前提とした購入者に向けて、判断材料を先に出す

実測値を明記した出品は、それ自体が信頼性の担保になります。センタリング測定アプリの結果画面を画像として添えるのも有効です。

センタリングの良いカードを手に入れるコツ

センタリングの良いポケカを手に入れるための確認のコツ

パック開封時の確認ポイント

パックを開封したら、レアカードだけでなくすべてのカードのセンタリングを軽く確認する習慣をつけましょう。目視のスクリーニングであれば1枚数秒で済みます。

高額カードが出た場合は、まずスリーブに入れてからセンタリングを確認します。確認のために素手で扱う時間が長くなるほど、擦り傷という別の減点要因が増えます。保護を先、確認を後、の順番を徹底してください。

シングル購入時の見極め方

シングルカードを購入する際は、出品画像や商品説明でセンタリングを確認します。信頼できるショップでは、センタリングの状態を商品説明に記載していたり、ボーダーが確認できる角度の写真を掲載していたりします。

画像が斜めから撮影されている場合、実際の比率とは異なって見える点には注意が必要です。判断が難しければ、出品者に真上からの画像を依頼するのが確実です。

鑑定済みカードのセンタリング

PSA鑑定済みのカードでも、スラブ越しにセンタリングを確認する意味はあります。

同じPSA10でも、50/50に近い個体と55/45ぎりぎりの個体では見栄えが異なります。グレードは同じでも、コレクションとしての満足度には差が出ます。複数の出品から選べる状況であれば、より均等な個体を選ぶ価値があります。

センタリングに関するよくある誤解

ポケカのセンタリングに関するよくある誤解と正しい理解

「PSA10は60/40までセーフ」は現在の基準ではない

最も広く残っている誤解です。前述のとおり、PSAが現在公表している表面の基準は約55/45です。60/40は改定前の数値であり、この基準で提出判断をすると見込みを誤ります。

「センタリングは鑑定に影響しない」という誤解

「PSA鑑定ではセンタリングはあまり重視されない」という情報を目にすることがありますが、これは誤りです。センタリングはPSAの4評価項目の一つとして明確に定められており、基準を外れれば数字のグレードに直接影響します。

「リホルダーに出せば評価が変わる」という誤解

リホルダーはケースを入れ替えるサービスであり、グレードを付け直すためのものではありません。センタリングはカードの物理的な特性であるため、ケースを替えても数値そのものは変わりません。

グレードの見直しを目的とするなら、リホルダーではなく再提出(リグレード)にあたります。その場合も鑑定料が改めて発生するため、費用に見合うかの判断が必要です。

カードの向きで見え方が変わるのは錯覚

カードを180度回転させるとセンタリングの見え方が変わることがあります。これは目の錯覚によるもので、実際のボーダー比率は変わりません。主観的な見え方に頼らず、必ず実測してください。

よくある質問

Q: PSA10のセンタリング基準は60/40ではないのですか?

A: 現在PSAが公表している表面の基準は約55/45です。かつては「55/45〜60/40」というレンジで示されていましたが、その後「約55/45」に表記が改定されました。60/40と解説している情報は改定前の基準に基づくものです。裏面については75/25で変わっていません。

Q: センタリングの比率はどう計算しますか?

A: 向かい合う2辺のボーダー幅を測り、合計で割って百分率にします。左が2.2mm・右が1.8mmであれば合計4.0mmとなり、55%と45%で55/45と表記します。広いほうを先に書くのが慣行です。左右・上下、さらに表面・裏面の計4パターンを測ります。

Q: ポケカのセンタリングは何ミリまでならPSA10を狙えますか?

A: ボーダーの合計幅によって変わります。対辺の合計が4.0mmであれば、55/45にあたるのは2.20mmと1.80mmで、許容される差は0.40mmです。合計3.0mmのカードなら許容差は0.30mmまで縮まります。定規の目盛りでは判別が難しい領域のため、デジタルノギスの併用をおすすめします。

Q: ミスカットのカードはPSAでどう扱われますか?

A: グレードが下がるのではなく、数字のグレードが付きません。PSAはミスカットを「N8」として定義しており、この判定の場合はグレーディング料金も請求されません。鑑定士の裁量で「Authentic」として収納される場合は所定の料金が発生します。エラーカードとしての価値は、鑑定グレードとは別の市場で評価されます。

Q: センタリングが悪いカードでもPSA鑑定に出す価値はありますか?

A: カードの希少性と市場価値によります。高額カードであればPSA9やPSA8でも未鑑定より高く評価されることがあります。ただし現在の最低ラインはレギュラープランの1枚11,980円(税込)で、これに送料・保険料・手数料が加算されます。鑑定後の期待価格と比較して判断してください。

Q: センタリングが悪いカードは公式に交換してもらえますか?

A: 交換が保証されるものではありません。公式の交換は「一般小売店の正規販売品」「日本国内在住・国内購入」「購入から2週間以内」「専用Webフォーム経由でサポートデスクが交換対象と判断」の4条件をすべて満たすことが前提です。加えて「一部の製造上避けられない症状に該当する場合」は対象外とされており、裁断由来のセンタリングのズレがこれに該当すると判断される可能性があります。

Q: BGSとPSAではどちらのセンタリング基準が厳しいですか?

A: 一般的にBGSのほうが厳しいとされています。BGS10(Pristine)はPSA10より高いセンタリング精度が求められ、4項目すべてが10の場合はブラックラベルという別格の表記になります。一方でBGSはサブグレードが個別表示されるため、センタリングがどう評価されたかを確認できるという利点があります。

Q: センタリングが完璧でもPSA10にならないことはありますか?

A: あります。PSAはセンタリング・表面・角・エッジの4項目を総合評価します。センタリングが50/50でも、表面の微細な傷や角のわずかな丸みがあればPSA10には届きません。またPSAは、鑑定士の裁量でカード全体の見栄えに基づく判断を行う場合があるとしています。

まとめ

ポケカのセンタリングは、印刷面がボーダーの中心に配置されているかを示す品質指標です。PSA鑑定では4評価項目の一つに位置づけられており、PSA10を狙うには表面が約55/45以内、裏面が75/25以内である必要があります。広く流通している「表面60/40」は改定前の基準です。

比率は向かい合う2辺のボーダー幅から計算します。許容される実寸差は0.3mm〜0.5mm程度と小さいため、目視は一次スクリーニングにとどめ、実測やアプリと組み合わせて判断してください。

センタリングは製造工程で決まる個体差であり、あとから修正することはできません。極端な裁断ズレはグレードが下がるのではなくN8としてグレード対象外となり、公式の交換についても「製造上避けられない症状」として対象外と判断される可能性があります。

鑑定料の最低ラインが1枚11,980円(税込)まで上がったいま、提出前のセンタリング確認は、以前にも増して費用対効果を左右する工程になっています。正しい基準と測り方を押さえて、大切なカードの価値を最大限に活かしてください。